肝臓の病気を治療する方法
現在、日本には120万人に及ぶ慢性肝炎の患者がいるといわれています。
またB型肝炎ウイルスキャリアの数は、肝臓病を発症している人・発症していない人を含め、全人口の2%、200万人以上になるともいわれています。
C型肝炎ウイルスキャリアも100万人以上となっています。
さらにわが国では、肝臓病の原因のほとんどはウイルス性ではありますが、最近では、生活レベルの向上やストレス過多が原因となり、ウイルス性以外の肝臓病、つまり飲み過ぎによるアルコール性肝障害や、飽食による脂肪肝が増える傾向にあります。
そうした諸々の状況を総合すると、肝臓病はまさに「21世紀の国民病」と呼ばれるにふさわしい病気といえましょう。
しかしそのかわりに、肝臓病に関する正確な知識が意外に浸透していないというのが実情です。
多くの誤解や偏見も存在します。
そこでまず、肝臓病に対する誤解の数々を解くことを皮切りに、肝臓の働き、肝臓病の治療法、肝臓からのSOSサインなど、肝臓と肝臓病に関するイロハを総合的に紹介するところからスタートしたいと思います。
肝臓病とは、肝臓を構成している多くの肝細胞が何らかの原因によって破壊された状態を総称する用語です。
その結果総合的に、肝臓の働きが低下したり、あるいは全面停止してしまった病気で、軽いものから重いものまで何らかの自覚症状を伴うことになります。
しかし、肝臓は大きな臓器であり、破壊されていない肝細胞が代償性に増殖して全体として肝臓の機能を保持するように努める健気な臓器でもあります。
「沈黙の臓器」ともいわれるゆえんです。
その障害の原因は様々で、肝臓の病気も多様になります。
それが「肝臓病」です。
しかし、ちょっと見方をかえると、肝臓病という病気は存在しないという定義も成り立ちます。
というのは、最初の「肝臓病は肝細胞が破壊されることによって肝臓の働きが低下した病気」という定義は、実は結果(=症状)を述べた定義なのです。
つまり、Aという原因がもとになって肝臓が悪くなった場合であろうと、Bという病気で悪くなった場合であろうと、結果的に「肝細胞の破壊によって肝臓の働きが低下してしまった」病状が生まれた場合を肝臓病と呼んでいるのです。
それに対し「肝臓病という病気は存在しない」という定義は、原因を述べた定義なのです。
たとえば、喉に炎症が起こってしまった場合、それが風邪のウイルスによって引き起こされた炎症であるとき、私たちは感冒という病名で呼びます。
でも、選挙運動の連呼等でのどを酷使し、炎症を起こした場合には感冒といいません。
つまり、結果(=症状)が同じでも、それをもたらした原因が違っていれば同じ病気とはみなされないのです。
当然、その治療法も異なってきます。
これは、肝臓の病気も同じです。
肝細胞の破壊によって肝臓の働きが低下してしまったという結果(=症状)が共通していても、その原因が異なれば違った病気と考えることができるのです。
違った病気ですから、当然、治療法も異なってきます。